父が闘病当時、私は米国カリフォルニア州立大学(UCLA)医学部に留学中だった親友に相談をして、アメリカでのガン治療の考え方などを教えてもらいました。日本では当時も西洋医学・標準治療以外のものを見下したり、標準治療至上主義的な風潮があるにはありましたが、今はネットが普及し以前よりももっと酷い状況になっているように感じます。
アメリカでは、末期のガン治療においては「日本みたいに癌が見つかったら、すぐに何でもかんでも標準治療でガンガン治療する」という考え方ではなく、基本的には「積極的に標準治療を使ってまで癌と闘わない」「健康的な生活・正しい食生活などを基本に、癌と向き合い、癌と共存し、癌を受け入れていく」…そんな考え方のようです。そして痛みの軽減など「必要ならば標準治療を使うこともある」…という補助的な使い方だと親友は言っていました。
「医療先進国アメリカのガン治療では、日本ほど積極的には抗癌剤を使わないよ」と聞いて驚きましたが、アメリカでは「抗癌剤治療は延命に繋がらない」「QOL(生活の質)が非常に悪化する」「抗癌剤で癌は根治不可能」と気付いた1990年代に、ガン治療の方針を大きく変えたと言われています(詳しくはこちら)。
それから何十年も経ち、積極的に抗癌剤を使わなくなったアメリカや欧州の延命やガン死亡率などの成績は確実に改善しました。末期癌患者のQOLも非常に改善したと言われています。抗癌剤の副作用で苦しんで寝たきりになる患者さんが明らかに減り、健康的な体質へ改善するために食事や生活、運動などを取り入れる事で、標準治療を積極的に行うよりも延命出来たり、癌との共存で生き続ける方が増えています。さらに日本とは違って「良いもの・必要なものはどんどん治療に取り入れていく」という合理的な考え方なので、積極的に西洋医学以外の治療法、東洋医学も補完代替療法も機能性素材も、ドクターの判断で治療に取り入れています(統合医療)。結果、QOLが高いまま延命する方が増えるのは勿論、癌と共存出来たり、ガンが縮小したり、完全に完治したりする人が一定数出て来ます。
では、日本はどうなっているのでしょうか…
米国のガン死亡率、25年にわたり減少続く
米国での癌による死亡率は1991年のピーク時から2016年までの25年間にわたり堅調に下がり続けていることがわかっています。米国がん協会(ACS)が調査結果を明らかにしています。
米国全体でのガン死亡率は25年間で27%も減少しました。これは、ピーク時の死亡率を維持した場合よりも、死者数が約260万人減ったことを意味します。1991年が死亡率のピークでした。
報告書を執筆したレベッカ・シーゲル氏は「過去25年にわたって癌の死亡率が低下し続けているのは朗報だ」と指摘しています。米国での癌以外の主要な死因については変化が見られなくなりつつあることから、癌の死亡率の減少基調は「少し驚きだった」と付け加えています。
米疾病対策センター(CDC)の直近のデータによりますと、2017年の米国での死因の上位3つは、心臓疾患、癌、事故もしくは意図しない負傷でした。
米国で1991年に癌で死亡した人の割合は10万人あたり215.1人でした。この割合は毎年約1.5%低下し、2016年には10万人あたり156人の水準に低下していました。
世界保健機関(WHO)によりますと、世界的に見た場合、癌に罹る人の数は増えています。WHOが発表した試算では、2018年だけでも、新たに癌と診断される人の数は1810万人にのぼり、癌による死者数は960万人としていました。癌は世界全体で見た場合、死因の2番目に入っています。
超高齢化が原因なのか?
日本にも名医と呼ばれる癌の治療成績がズバ抜けて素晴らしいドクターがおられますが、そういう名医は手術・放射線の技術や抗癌剤の使い方が上手いだけではありません。調べてみると、患者さんに必要なもの・足りないものを補うことを名医は当たり前のように徹底されているのです。必要であれば体力や筋力をつけるためのリハビリ療法を取り入れたり、東洋医学でも食事療法でも温熱療法でも、さらにはヨガでも市販サプリメントでも、患者さんにとって役に立つもの・必要なものは補助的に補完代替療法を加えて使用されています(勿論、エビデンスがしっかりとある代替療法に限りますが)。名医と呼ばれるドクターは、まさしく標準治療に補完代替療法を組み合わせた「統合医療」にて末期癌と闘い、良い治療成績を残しておられます。
標準治療だけで癌を100%完全に治せたらそれが一番面倒臭くなく安上がりですし、最高に良いことなのですが、このページの最初にも記しましたが、国立がん研究センターの治療成績データを見る限り、標準治療だけで治せる癌は早期発見のステージ0~2くらいまでだという現実は、最低限知っておいた方が良いと思います。ステージ3以降、特に私の父と同じステージ4の場合は、標準治療のみに頼る決断は非常に命を落とすリスクが高くなってしまいます。また、命が助かるのであれば手術で何でも切除すれば良いとの考え方の人たちがいますが、私の父のように咽頭がんや舌がんだと、手術によって「声」や「舌」を失ったり、乳がんであれば女性らしさの象徴である乳房を失うという、一生ずっとその大きな後遺症を抱えて生きていかなくてはならない患者さんの事をもっと真剣に思い、そのような大きな後遺症が残らないような手段はないのか、患者さんのためにもっと考えないといけないと私は思います。
「ステージ2までの癌だから手術で癌細胞を切除したから大丈夫」と安心するのではなく、せめて手術で自然治癒力が低下した分を、強化・向上する必要はあると思います。その辺りが病院は手当てをしてくれない部分ですので、再発や転移を防ぎたいのであればご自身でしっかりと対策をすべきだと思います。
私たちの身の回りにある有害化学物質やストレス、老化、その他、さまざまな原因によって、癌の発生率が近年にない急激なスピードで高まっていることは残念ながら事実です。アメリカでは、1996年の1年間だけで、癌にかかった国民が約120万人にのぼるそうです。癌の罹患比率は男女ほぼ半々で、癌細胞は男女を問わず大人も子どもも老人も見境なく攻撃します。男性は前立腺癌にかかる割合が最も多く、女性の場合は乳癌が1位のようです。そして、この120万人のちょうど半分の60万人が1年間に癌との闘いに破れ、亡くなっているようです(1996年当時のデータ)。
日本においても1991年以降、死因のトップだった脳卒中を追い越して、癌が第1位になったのは上でも記した通りです。日本でも1986年以降、毎年19万人以上の人々が癌で亡くなっています(2020年台、癌による死者数は約40万人で倍増/ガン罹患者数は年間100万人)。最近の日本では、癌患者の約2人に1人が、癌で死亡している計算になります。勿論、アメリカと日本の人口の違いはありますが、全人口に占める癌による死亡の割合は、1990年代当時はほぼ同じでした。但しアメリカでは1991年をピークに癌による死亡率は減少、日本だけ死亡率・死亡者数がずっと増加傾向にあります…。
こうした、文字どおり地球的規模の人類最大の疾病である癌に対して、私たち人類ははるか昔からさまざまな知恵と工夫で闘い続けてきました。それにも関わらず、癌は研究者・医師の努力をあざ笑うかのように、依然として増え続けているという状態です。
癌は生活習慣病とも呼ばれ、日々の生活におけるストレス管理や規則正しい食事、自然の水、適度な運動などが非常に大切です。この日々の生活が乱れた結果、健康だった体質を、徐々に癌になりやすい体質へ変化させてしまうのです。ですから「若いうちから癌にならないよう、予防に力を注ぐべきだ」という声も段々と強くなってきています。確かに、癌にならないために予防策を講じることは非常に大切なことだと私は思います。今現在健康な方は是非、癌にならないように予防をされることをお奨めします。
しかし万が一、不幸にして癌になってしまった場合には、それからストレス管理や規則正しい食事、自然の水、そして適度な運動を始めるだけでは、即効性がないので手遅れになってしまう可能性があります。勿論癌になってしまった後も、体質改善やストレス管理はとても大切なことですから、是非実践して下さい。しかし、体質改善には年単位の長い時間がかかるため、癌細胞の増殖スピードを考えるとそれだけでは癌と真っ向から闘えません。
では、癌になってしまったらもう絶対にお手上げかというとそうでもありません。これまで医学が癌治療に対して行ってきたこと、現在も行っている治療法の限界と、あまり大きな声では語られることのない現代医学のマイナス面を知った上で、早期に適切な処置を行えば、必ず無事生還を果たすことが出来るはずです。その”適切な処置”のポイントは、「免疫力を高めること」に尽きると私は思います。癌と闘う最後で最強の武器は「免疫」だということを、私のホームページを通じて知って頂けたらと思います。
ここではガン標準治療(西洋医学)の限界と問題点、そしてメリットも合わせてじっくりとご覧下さい。
※「代替療法とは」ページにもYoutubeによる西洋医学3大療法(手術、抗がん剤、放射線治療)の限界・問題点・治療成績などについて分かり易い動画がご覧頂けます。是非ご覧になってみて下さい。