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大腸がんの標準治療を知る

末期癌克服への架け橋区切り線

 
大腸がんは早期であれば、ほぼ完全に治ります。また、「内視鏡を用いた治療」や「排尿機能や性機能を温存する開腹手術」などにより、患者さんの体への負担が軽減されてきています。
 
 

 
食生活の欧米化を背景に、大腸がんは増えている
 
 

●増加する大腸がん

 
現在日本では「大腸がん」が非常に増えており、2018年データで胃がんや肺がんを抜いて、日本人に最も多く見られる癌になっています。
 
大腸がんが増加している最大の原因には、食生活の欧米化が考えられています。つまり、動物性の脂質やたんぱく質の摂取量が増え、野菜や穀類などからとれる食物繊維の摂取量が減ったことが、大腸がんの発症に大きく影響しているのです。
 
大腸がんは進行すると、便が通る大腸の内腔を癌が塞いで「腸閉塞」を起こしたり、病変部から出血が起きて、その結果「貧血」になることもあります。また、癌が「肺や肝臓などへ転移」したり、命にかかわる場合もあります。
 
このようなことから、大腸がんは、早期の段階で見つけることが非常に大切です。早期の大腸がんであれば、適切な治療によって、ほとんどの場合がほぼ完全に治ります。
 
 

●早期がんと進行がん

 
では、「早期の大腸がん」と「進行した大腸がん」はどのように区別されるのでしょうか。
 
大腸がんの多くは、大腸の内腔に向かって表面から盛り上がったポリープ様のものから発生しますが、その進行度は、主に「癌が大腸の壁(大腸壁)に入り込んでいる深さ」で決まります。
 
大腸の壁は、内側から「粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜」など、幾つもの層に分かれています。このうち、癌が粘膜固有層から粘膜下層までにとどまっているものを「早期がん」といい、粘膜下層を越えると「進行がん」といいます。
 
ただし、早期がんでも、粘膜下層にまで広がったものは、リンパ節などへ転移している可能性もあります。
 
大腸がんの「早期がん」と「進行がん」
 
 
難病末期癌からの生還・区切り線

 
早期発見には「免疫便潜血反応検査」が有効
 
 

●症状がなくても検診を受けることが大切

 
大腸がんの代表的な症状には「血便、腹痛、便通の異常」があります。ただし、これらの症状の多くは、癌がかなり進行してから現れるもので、早期にはほとんど現れません。
 
また、大腸のどこに癌が発生したかによっても、症状の現れ方に違いがあります。例えば、癌が肛門に近い直腸やS状結腸、下行結腸にできると、肛門近くに出血が起こり自分で「血便」を確認することが多くなります。
 

大腸がんが発見されるきっかけと発病年齢

 
一方、肛門から遠い横行結腸や上行結腸、盲腸に癌ができると、便に混じった血液を肉眼で見分けるのは難しくなり、癌が進行してはじめて、「腹痛、腰痛」が症状として現れることが多くなります。ですから、早期に発見するには、症状がなくても1年に1回は「検便(免疫便潜血反応検査)」を受けることが大切です。
 
大腸がんの発病年齢のピークは60歳代で、50歳代、70歳代がそのあとに続きます。しかし、実際は、40歳代から発病が増えていますから、40歳を過ぎたら検便を受けるようにしましょう。
 
 

●検査の内容

 
大腸がんを見つけるための検査には、次のようなものがあります。
 
▼免疫便潜血反応検査(検便)……便に血液が混じっていないかどうかを調べるもので、広く行われています。この検査では、肉眼では見えない微量の出血も、検出できます。現在、検査の技術が向上しており、検査前の食事制限はほとんどありません。
 
実際、この検査による大腸がんの発見率は非常に高く、定期的に検便を受ける人が増えるにつれ、日本人の大腸がんの死亡者数が1/3に減少したといわれています。
 
検便で陽性の場合、さらに次のような精密検査を受ける必要があります。
 
▼直腸診……医師が患者さんの肛門から直接指を入れ、大腸の内腔の様子を診ます。直腸がんの場合、かなりの確率で見つかります。
 
▼注腸造影検査……下剤をのみ、大腸内を空にした後、肛門から大腸内に造影剤(バリウム)と空気を注入し、大腸全体のエックス線撮影を行います。この検査で癌のほか、ポリープなどの位置もわかります。
 
▼内視鏡検査……下剤で大腸の中を空にした後、肛門から内視鏡を入れ、大腸の内腔の様子を見ます。癌やポリープが見つかった場合、内視鏡の先端に付けた器具を使って、その場で切除を行うこともあります。
 
▼バイオプシー検査……注腸造影検査や内視鏡検査などでも、癌どうかの判断が難しい場合は、疑わしい病変の一部を採って、顕微鏡で病理検査をし、確定診断を行います。
 
大腸がんの精密検査
 
 
 
難病末期癌からの生還・区切り線

 
早期の場合、内視鏡を用いた治療でほぼ完全に治る
 
 

●早期がんの治療

 
癌が大腸の粘膜固有層にとどまっている場合は、肛門から内視鏡を挿入し、病巣部を切除する内視鏡的粘膜切除術を行います。
 
最初に、内視鏡の先端に付けた針から、病巣部の下に生理食塩水を注入し、病巣部を盛り上げます。こうすると、周りの正常な組織を傷つけずに安全な治療ができます。その後、盛り上がった部分の根元に、ループ状のワイヤーをかけ、高周波電流を流して焼き切ります。切除した病巣部は、鉗子(かんし)で取り出します。
 
この治療法では、患者さんが痛みを感じることは、ほとんどありません。多くは2日程度の入院で行うことができます。
 
一方、早期がんでも、癌が粘膜下層まで及んでいる場合は、リンパ節に転移している可能性もあるので、開腹手術などを行います。
 
大腸がんの内視鏡的粘膜切除術

 
 

●進行がんの治療

 
進行がんの場合、基本的に開腹手術が必要です。近年、手術の技術が非常に進歩したので、癌の進行度によっては、患者さんのQOL(生活の質)を考慮した治療が可能になってきています。
 
例えば、直腸の周りにある排尿機能や性機能をつかさどる「骨盤内の自律神経」を残す方法が可能になったので、手術後の機能障害を軽減できるようになっています。また、手術後、人工肛門を付けずに自分の肛門を残せるケースも多くなってきています。
 
なお、最近は、肛門から離れた「結腸の進行がん」に対しては、腹腔鏡治療が行われることが多くなっています。これは、おなかに3~4つの孔を開けて、そこから腹腔鏡(内視鏡の一種)のほか、手術に必要な器具を入れ、病巣部を取り出す方法です。この治療法では、手術後の傷が小さく、痛みも少ないなど、患者さんの身体的な負担が少なくなります。入院期間はおよそ1週間以内です。
 
大腸がんの治療技術は進歩していますが、やはり、癌は早期発見が大切です。40歳を過ぎたら、1年に1回は、ぜひ定期検診を受けるようにしてください。
 
大腸がんの腹腔鏡治療

 
 

●大きなポリープは、内視鏡で切除する

 
そのほか、検診などで大腸に「ポリープ」が見つかった場合、ポリープが1cm以上であれば、内視鏡的粘膜切除術で切除することが望ましいといえます。ポリープのなかには、「がん化」するものもあり、1cmを超す場合は、その可能性が高いからです。一方、ポリープが5mm以下の場合、がん化する可能性は非常に低いので、経過観察が基本です。ただし、定期的に検査を受けることが非常に重要です。
 
 

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