末期癌と闘われる方々への
希望や勇気となりますように

難病末期癌からの生還~タイトル画像小

HOME | 代表的な癌の標準治療とは | 肺がんの標準治療とは

肺がんの標準治療を知る

末期癌克服への架け橋区切り線

 
現在では、「肺がん」は早期に発見できれば、身体的負担の軽い治療も可能になっています。ただし、肺がんは早期には症状が現れにくいので、定期的に検査を受けて、早期発見に努めることが大切です。
 
 

 
大きく4種類に分けられ、それぞれできる場所が異なる
 
「肺がん」にかかる人は、年々増える傾向にあります。現在では「胃がん」を抜いて、癌の部位別死亡率の第1位になっています。
 
肺がんには、早期発見が難しいことに加え、早くから転移するという特徴があります。癌がある場所によっては、進行するまで自覚症状が出ないので、肺がんがほかの臓器に転移し、その臓器の症状が現れてきてから、肺がんが発見されることも多くあります。
 
このため、どのようにして早期に発見するかが大きなポイントとなっています。
 
 

●がん細胞の違いによる分類

 
肺がんは、その組織によって、「小細胞がん」と「非小細胞がん」に大別されます。このうち非小細胞がんは、さらに「扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん」の3種類に分類されます。
 
▼小細胞がん……進行が速く、早期に転移する癌です。
 
▼非小細胞がん(扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん)……小細胞がんに比べ、進行が緩やかで、ある程度大きくなってからでないと転移しません。
 
 

●癌のできる部位による分類

 
これらの4種類の肺がんは、発生する部位がほぼ決まっています。このため、肺がんは、癌のできる部位によっても分類できます。
 
▼中心型肺がん……肺の入り口近くの「肺門部」にできる癌です。ここには、主に小細胞がんと、扁平上皮がんが多く見られます。これらの癌の発生には喫煙が関与していると考えられています。
 
▼末梢型肺がん……肺の奥のほうの細かく枝分かれした気管支や肺胞(はいほう)を「肺野末梢部(はいやまつしょうぶ)」といいますが、そこにできる癌です。ここには主に、腺がんと大細胞がんができます。
 
 
  
 
難病末期癌からの生還・区切り線

 
癌のできている部位によって、検査方法が異なる
 
肺がんは、中心型肺がんの場合は、癌が太い気管支を刺激するために、早くからせきや血痰などの症状が現れることがあります。しかし、特に末梢型肺がんの場合には、早期には症状が出にくいため、発見のためには、定期的に検査を受けることが大切です。
 
肺がんの検査は、中心型肺がんと末梢型肺がんでは多少異なります。
 
 

●中心型肺がんの検査

 
▼喀痰(かくたん)細胞検査……中心型肺がんがあると、痰の中に、がん細胞が含まれていることがあります。ただし、常に痰の中にがん細胞が混ざっているわけではないので、3日分の早朝の痰を集めて、がん細胞の有無を調べます。
 
▼気管支鏡検査……粘膜麻酔をした後、口あるいは鼻から「気管支鏡」という内視鏡を気管に送り込み、気管や気管支の内部を観察します。喀痰細胞検査で異常があった場合や、せきや血痰などがある場合に行われます。
 
 

●末梢型肺がんの検査

 
▼胸部エックス線検査……通常の健康診断などで行われる検査です。癌があると、エックス線写真に白い影が写ります。
 
▼CT(コンピュータ断層撮影)検査……エックス線検査でがんが疑われる場合に行われます。CT検査では、体の横断面を細かに写し出せるため、精度が高く、癌の場所もかなり正確にわかります。最近では、エックス線の照射量の少ない「ヘリカルCT」を用いて肺全体を調べます。そうすると、5mm程度のごく小さな癌も発見できます。癌のある場所がわかれば、さらに精度の高い「高分解能CT」を用いて、癌の特徴を備えているか診断します。
 
▼バイオプシー検査(生検)……CTで癌が疑われる部分を特定した後、体外から針を刺してその部分の組織を採取して、癌の有無を調べます。病巣部が小さな場合には、検査と治療をかねて「胸腔鏡下手術」で病巣部を取り除く場合もあります。
 

 
難病末期癌からの生還・区切り線

 
切除するほか、化学療法が行われることも
 
中心型肺がんの治療では、癌の種類によって治療法が異なります。
 
 

●小細胞がんの場合

 
小細胞がんは進行が速く、癌が小さなうちから転移が見られるため、ごく早期の場合を除いては、原則的に手術は行われません。小細胞がんは、抗がん剤がよく効くため、「化学療法」が中心です。最近は、抗がん剤が改善され、治療効果も高くなってきています。
 
 

●扇平上皮がんの場合

 
扁平上皮がんは、小細胞がんに比べ進行が遅いので、転移がなければ、切除手術が行われます。
 
病巣部が小さければ、開胸せずに、気管支鏡によって治療できます。
 
また、最近一部の医療機関では、がん細胞に集まりやすく、特殊なレーザー光に反応する性質をもった物質を患者さんに注射した後、がん細胞にレーザー光を照射してがん細胞を死滅させる「光線力学的治療法(PDT)」や、内視鏡を気管支内に挿入し、その先端から癌に直接放射線を照射する「気管支腔内放射線治療」が行われることもあります。
 
 

難病末期癌からの生還・区切り線

 
癌の大きさによって切除する範囲が異なる
 
 

●治療の原則は切除

 
末梢型肺がんの治療は、「切除手術」が原則です。癌が小さく、転移がない場合には、次に述べるように、内視鏡による切除が行われます。
 
癌が大きい場合には、肺をいくつかの区域に分け、開胸手術によって、癌のある部分を区域ごと、あるいは、癌のあるほうの肺を全部切除することもあります。
 
 
▼胸腔鏡下手術……ごく早期の肺がんの場合、開胸せずに、胸部に数か所小さな孔を開け、そこから「胸腔鏡」という内視鏡の一種を挿入し、病変部とその周辺を切除します。
 
 
難病末期癌からの生還・区切り線

 
自覚症状かなくとも一年に一回の検査を!
 
肺がんは、早期のうち(癌が粘膜内にとどまっている場合)に発見できれば、治癒率は格段に高くなります。また、体に大きな負担をかけない、内視鏡による治療が可能です。しかし、癌が大きいと、身体的負担の大きい開胸手術が必要となります。また、癌が進行して、周辺に転移が見られる場合には、切除できないため、放射線療法や化学療法が行われますが、やはり治療効果は低くなります。
 
肺がんは上でも述べたように、なかなか自覚症状が現れず、せきや血痰などの症状が現れたときには、すでにかなり進行していることが少なくありません。
 
そのため、40歳を過ぎたら、1年に1回は喀痰細胞検査、胸部エックス線検査、CT検査などの検査を受けるようにしましょう。
 
 

●喫煙指数が400を超える場合は特に注意

 
喫煙は、中心型肺がんの大きな要因です。1日の喫煙本数×喫煙年数(1日に吸うたばこの本数に、たばこを吸い続けてきた年数をかけたもの)を「喫煙指数」といいます。この喫煙指数が400を超える人、例えば、1日に20本のたばこを20年間吸ってきた人は、肺がんになるリスクが高くなります。このような人は、必ず定期的に検査を受けてください。
 
肺がんの早期発見のためにすべきこと

 
難病末期癌からの生還・区切り線