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難病末期癌からの生還~タイトル画像小

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NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とは

難病末期癌からの生還区切り線

 
1975年、日本、アメリカ、スウェーデンなどの研究者がほぼ同時期に、ガン細胞を殺す働きをもつ免疫細胞を発見しました。それがNK細胞(ナチュラルキラー細胞)です。
 
 

 
50数年前まで、リンパ球にはT細胞とB細胞の2種類しかないと考えられていました。そして、リンパ球は免疫されたもの、すなわち一度抗原として認識したものだけに反応するのだと信じられていたのです。
 
あるとき、胸腺をもたないマウスからリンパ球をとりだし、ガン細胞と混ぜ合わせる実験が行なわれました。マウスには胸腺がないので、T細胞もありません。殺傷性のあるT細胞が欠けているのだから、ガン細胞はどんどん増殖するはず---という予想に反して、ガン細胞はリンパ球によって殺されたのです。
 
この実験によって、リンパ球のなかにはT細胞やB細胞とは異なる働きをする細胞があること、しかもその細胞は生まれながら(Natural)の殺傷力(Killer)を備えているので、とつぜん出会った抗原も殺せることがわかったのです。これが第3のリンパ球であるナチュラルキラー細胞、すなわちNK細胞でした。
 
当初は、「T細胞かB細胞に備わる別の働きなのでは?」「そもそも実験が間違っていたのだろう」などといわれましたが、今ではリンパ球に属する細胞の一群として、確固たる地位を確立しています。
 
ちなみに、T細胞でもB細胞でもないリンパ球を「ヌル細胞」と総称して呼んでいます。NK細胞はヌル細胞の一種ですが、近年、NK細胞とはまた違う細胞があることもわかってきました。NKT細胞です。
 
 

 
NK細胞の数は加齢とともに増加します。20~30歳の健康な人の場合、末梢血液中のリンパ球に占めるNK細胞の割合は約10~15%。それが50~60歳になると、約20%程度に上昇します。
 
では、質は? NK細胞の活性(殺傷能力)は年齢の影響を強く受けることが、人間でもマウスでも確認されています。若い頃の活性はとても高いのですが、中年になる頃からは低下する一方です。
 
自律神経にも影響されています。リラックスして副交感神経が優位に慟きはじめると、殺傷能力は高まります。逆に、ストレスを受けて交感神経が優位になると、NK細胞の数は増加。しかし活性は激減するのです。役立たずの兵士がゴロゴロいるのと同じで、使いものになりません。
 
若くて健康な人でも、試算の上では、正常細胞が1日約3000~5000個ずつガン化していくといわれています。NK活性が高いうちはまだしも、50代以降でストレス過多を自覚する人は要注意。NK細胞の機能を高める努力が必要です。なにしろマウスの場合、老いの行き着く先はほとんどがガンなのですから。 
 
 

 

①HLA抗原を失った細胞を攻撃する

”私の細胞”であることを示す印、HLA抗原を失った細胞を攻撃、殺傷する(ガン細胞の一部はHLA抗原がない)。ガン細胞でも、HLA抗原のあるものはT細胞が担当する
 

②血液中に一定数が存在している

NK細胞は全身に約50億個存在し、ガン細胞がないかどうかパトロールをしている。それに対して、T細胞やB細胞は抗原の刺激を受けてはじめて、血液中に増加する
 

③抗体を介して抗原も殺傷できる

ガン化したり非自己化した細胞だけでなく、抗原の排除にも活躍している。抗体が結合した抗原に反応し、細胞内のパーフォリン、グランザイムなどのタンパク質分解酵素を抗原に打ち込み、死滅させる
 

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